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January 4, 2018
Talk Vol.16 サッカーの価値は無限(下) 東京ユナイテッドFC共同代表兼監督 福田 雅 第7回のゲストは東京23区から初のJリーグ入りを目指す「東京ユナイテッドフットボールクラブ」の福田雅共同代表兼監督です。JFLの1つ下のカテゴリーに属する地域リーグ(関東リーグ1部)の東京ユナイテッドFCは東京大学OBと慶應義塾大学OBをルーツに持つクラブ。座学からの学びとスポーツからの学びを融合した優れた人材輩出を目標としています。福田代表が描くサッカーが繋ぐ大学コミュニティと地域コミュニティの融合とは――。 二宮清純: 福田代表が率いる東京ユナイテッドFCは現在、関東サッカーリーグ1部に属しています。3部まであるJリーグの1つ下のカテゴリーがJFLです。関東サッカーリーグは9つある地域リーグの1つ。JFLからは1つ下のカテゴリーになります。 福田雅: 実は今矢さんの弟(直城)さんが監督を務める早稲田ユナイテッドとは何度も対戦経験があるんですよ。東京都リーグ1部や関東リーグ2部でも戦っていますね。チームとしてはライバル関係にありますが、気が合うので仲が良いんです。 今矢賢一: 弟のクラブは今も関東サッカーリーグ2部ですから、追い越されてしまいましたね。 二宮: 福田代表から見て、早稲田ユナイテッドはどのようなサッカーを? 福田: 意思のないパスを嫌うサッカーですね。パスを受ける時にも意思を持てと。そういうボールの受け方も徹底しています。出し手だけではなく受ける側の意思をすごく大事にしています。敵ながら早稲田ユナイテッドのサッカーは好きですね。選手の自立を促すサッカー。今矢(直城)さんは試合中、細かいことは言わないです。 二宮: 福田代表が率いる東京ユナイテッドFCは? 福田: 僕は気の緩んだプレーが嫌いなんです。それに対しては厳しく指導しますが、「ピッチに出たらオマエたちが戦ってくれ」というスタンスですね。その点は今矢(直城)さんと似ているかもしれません。 今矢: では今度は弟も交えて、サッカー談義しましょう。 福田: ぜひ宜しくお願いいたします。 【大学コミュニティを生かしたクラブづくり】 二宮: 東京ユナイテッドFCは大学を起点にしながら地域に広げていきたいと。まずはクラブをつくった動機を教えていただけますか? 福田: 何よりまず東京23区内にプロサッカークラブがなかったことです。日本と比べるとGDPが3分の1以下であるスペインにはレアル・マドリードとFCバルセロナという経済面においても世界的なビッグクラブがある。この話をすると「文化が違う」という言葉で片付けてしまう人もいますが、それは逃げだと思うんです。文化にしようとする努力が足りていないのではないかと。私は公認会計士の資格も持っているので、経営的観点からサッカーを掘り下げていったんです。日本のクラブは国の経済力を生かせていないと感じました。 二宮: 逆に言えば、まだまだ伸びしろがあると。 福田: そうですね。日本のスポーツ文化は体育の延長にある。身体を鍛えるためのものですね。日本のスポーツを通じた教育は学校にあります。学校の部活文化で、学校対学校の構図で日本スポーツは盛り上がってきました。学校の部活文化の頂点は大学における早慶戦などがあります。あれだけの人を呼べるのはすごいコンテンツだと思うんです。 二宮: 早慶戦の人気を取り入れたいと? 福田: はい。私はそこに魅力を感じ、まず既存の早稲田ユナイテッドというクラブに「早慶ユナイテッド東京」として、早大OBと慶大OBによる連合クラブチームをつくることを提案したんです。薩長同盟における土佐藩の気持ちです。残念ながら“締結”には至りませんでしたが……。そこで2010年1月、当時は休部状態にあった慶大体育会ソッカー部OBクラブ「慶應BRB」を再結成し、自分たちだけで社会人クラブをスタートさせました。そこに東大サッカー部OBクラブ「東大LB」が合流し、2015年に「LB-BRB TOKYO」を創設したんです。さらに、2017年からクラブ名を現在の「東京ユナイテッドFC」に変更しました。要するに学校コミュニティの延長線上にクラブをつくったのです。今まで東京23区内にプロクラブがないのは、地域密着するための名士や地元企業を特定しづらいことと、インフラがないことに原因があったと思うんです。この2つを同時に解決する手法が、大学OBというコミュニティ。ここに立脚して、いずれは地域に根付けばいいと考えてスタートしました。   […]
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