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February 2, 2018
Talk Vol.17 サッカーの価値は無限(下) 東京ユナイテッドFC共同代表兼監督 福田 雅 第7回のゲストは東京23区から初のJリーグ入りを目指す「東京ユナイテッドフットボールクラブ」の福田雅共同代表兼監督です。JFLの1つ下のカテゴリーに属する地域リーグ(関東リーグ1部)の東京ユナイテッドFCは東京大学OBと慶應義塾大学OBをルーツに持つクラブ。座学からの学びとスポーツからの学びを融合した優れた人材輩出を目標としています。福田代表が描くサッカーが繋ぐ大学コミュニティと地域コミュニティの融合とは――。 【クラブのルーツがアイデンティティ】 二宮: 東京大学は文京区にキャンパスがあります。 福田: 当初は慶大のキャンパスがある日吉のグラウンドで練習していた時期もありましたが、文京区や東大OBのサポートも得られるようになったので活動拠点を文京区に移しました。さらには女子サッカーの受け皿となれるように僕らは女子の「文京LBレディース」というチームも持っています。女子の選手たちが生涯サッカーをやり続けられる環境を用意したいと思ったからです。そんな活動が実を結び、今年の1月には文京区と相互協力協定を締結する運びとなり、より公式にクラブ全体を応援していただけることになりました。 二宮: 世界のサッカークラブにはいろいろな成り立ちがあります。ドイツ・ブンデスリーガのシャルケ04は炭鉱労働者のまちのクラブです。今矢さんが住んでいたオーストラリアのクラブ成立事情は? 今矢: サッカーだとオーストラリアは移民の国ですから、そのコミュニティがルーツになっていることが多いです。カズ(三浦知良)選手がかつて所属していたシドニーFCは、元々ギリシャ系ですね。シドニーオリンピックという名称でギリシャ、イタリア系が多かった。あとはマルタ系やスロベニア、ボスニア系のチームがありました。僕らがいた90年代は内戦をしている国をルーツに持つクラブ同士の試合だと、警備体制もかなり厳しくなりました。雰囲気も全然違いましたね。 福田: クラブのルーツがアイデンティティとなって、クラブ同士の対立の構造は今のステージからできていなければダメだと思うんです。だから僕らも東大と慶大を前面に押し出して、ヒール役になってもいいから個性を出していこうと考えています。 二宮: それはいいアイデアですね。オーストラリアのリーグは、その後どう成長していったのでしょうか? 今矢: 日本のJリーグができた時の100年構想のようなビジョンがあったと思います。オーストラリアはAリーグになったタイミングで民族色は消したはずです。Aリーグがスタートした当初は西シドニーにチームがなかった。それこそ東京23区内にサッカークラブがないような状況でした。12-13シーズンからウェスタン・シドニー・ワンダラーズができました。小野伸二選手も当時は所属していました。元々サッカー熱の高い地域だったので、一気にファンが集まって初年度でレギュラーシーズンを優勝で終えたんです。 福田: その後、小野選手がコンサドーレ札幌に移籍してからはどうなったんですか? 今矢: クラブ創設3年目でAFCアジアチャンピオンズリーグも制しました。今もファンがついているという意味では、すごく成功していますね。 【教育というストロングポイント】 二宮: 普遍化、一般化していくためにはどういう作業が必要だと考えていますか? 福田: モデルはバルセロナです。カタルーニャ地方の少数民族のクラブがグローバル化していった。ひとつはブレずに地味なことをやっていくしかないなと思っています。ルーツは東大と慶大ですが、何を実現したいかと言えばスポーツのステータスを上げることです。人間形成の場として、スポーツは座学と変わらないぐらい重要なものとして考えていて、教育のコンテンツとしての価値をもっと訴えていきたい。今のJリーグクラブの差別化を図るのは地域性と強さの2軸だと思うのですが、“ここのクラブは違うよね”と言われるような存在を目指しています。 二宮: いずれは教育産業をバックに付けるとか、そういう提案もできますよね。 福田: そうですね。どこかの塾と提携することもできますし、クラブのスタッフには僕を含め会計士、弁護士がいます。クラブが会計士事務所と弁護士事務所を経営しているので、選手たちのセカンドキャリアにも繋がる。私たちが選手たちを受け入れて職業訓練させて、スポンサー企業などに就職してもらえたら、とてもいいサイクルになると思うんです。 二宮: 東京ユナイテッドFCが「セカンドキャリアに定評がある」ということになれば、ビジネスにも繋がりますよね。 福田: 選手も安心して来られると思います。地元の名士の弁護士や会計士がいる。例えばレアル・マドリード会計事務所、レアル・マドリード弁護士事務所があったらおもしろいじゃないですか。それで僕らもつくってみたんですよ。クラブの価値が上がれば、ビジネス部門の価値も上がる。このクラブだからこそ、できる周辺ビジネスがあると考えています。 二宮: クラブとしての強みを生かすわけですね。 […]
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