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Columnコラム

2016.01.15なでしこ、「ブームを文化に」

2011年ドイツW杯で、初めて世界の頂点に立ったなでしこジャパン(サッカー日本女子代表)は、12年ロンドン五輪、そして、この6月から7月にかけて行われたカナダW杯でも準優勝を果たし、その実力が依然として世界のトップレベルであることを証明した。

 

先のカナダW杯、なでしこは決勝の米国戦こそ、2対5と大敗を喫したが、1次リーグのスイス戦を皮切りに、カメルーン戦、エクアドル戦、決勝トーナメント1回戦のオランダ戦、準々決勝のオーストラリア戦、準決勝のイングランド戦と、すべて1点差を制して勝ち上がってきた。そこに、なでしこのしぶとさとしたたかさを見る思いがした。

 

チームを束ねたのが、 30歳のキャプテン宮間あやである。157センチの身長は、平均身長164.8センチと小柄なチームにあっても、ひときわ小さく感じられた。

 

しかし、彼女の戦術眼と技術は他の追随を許さない。前回大会で優勝した際、なでしこは「女性版バルセロナ」との高い評価を受けた。それも宮間がいればこそである。日本が世界の女子サッカーに誇るファンタジスタと言えよう。

 

司令塔の彼女は両足で質の高いボールを蹴ることができる。その理由がおもしろい。

 

「母はバスケットボールの経験者なのですが、バスケットボールの選手は、どちらの手でもボールを扱うことができる。ある日、サッカーを始めた私に “どうして両足で同じようにボールを操れないの? “と聞いてきたんです。それが悔しくて、両足で蹴れるような練習に取り組みました。もともとは右利きなのですが、今は左足の方が癖のない素直なボールを蹴ることができます」

 

宮間の口ぐせは「女子サッカーをブームではなく文化にすること」。ブームには終わりがあるが、文化は長い時間軸の中で形成されていくものだ。

 

なでしこリーグ1部は、初めて女子W杯を制した11年、一試合平均2796人の観客を集めたが、今季(W杯中断前まで)は1456人にまで減少した。観客動員数が代表の成績に左右される現状は、まだ女子サッカーが地域に根ざした文化として成り立っていないことを示している。

 

プレー同様、言動でも女子サッカーを牽引している宮間。来年のリオデジャネイロ五輪でも、彼女のキャプテンシーに期待が集まる。