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Columnコラム

2011.04.18アスリートの社会貢献に賞を!

今回の東日本大震災を受けて、日本中、いや世界中のアスリートに、
支援活動の輪が広がっている。
募金活動にチャリティーオークション、救援物資の寄贈……。
それぞれの立場で、「今、自分にできること」を模索し、行動に移している。
その思いはきっと被災地にも届くと信じたい。

 

-スポーツには国境や言葉の壁を越え、同じ競技を愛するもの同士が連帯できる良さがある。

 

今回は、そんなスポーツの長所が存分に発揮されたのではないだろうか。
大災害の前にスポーツは無力である。
しかし、復興に向けた長い道のりの中でスポーツが果たす役割は小さくない。
アスリートたちの活動を見聞きするたびに、その思いを強くしている。
もともとアスリートの中には日頃から社会貢献活動をしている選手が少なくない。
ただ、その部分にスポットライトが当たることはあまりない。
本人たちが積極的にアピールする性格のものではないと考えている面もあるのだろうが、
社会貢献の輪を広げる意味で、その活動を取り上げる場がほしい。

 

たとえばメジャーリーグでは慈善活動に熱心な選手に対し、
「ロベルト・クレメンテ賞」が贈られている。
クレメンテは1960年代、ナ・リーグで4度の首位打者を獲得した好打者だった。
1972年12月、クレメンテは地震に見舞われたニカラグアに救援物資を運ぼうと飛行機で移動中、
運悪く事故に巻き込まれた。38歳の短い生涯だった。
この悲劇を受け、賞に彼の名が冠されるようになった。

 

05年に夫婦での奉仕活動が認められて
「ロベルト・クレメント賞」を受賞したジョン・スモルツは
「サイ・ヤング賞よりも価値がある」と言い切った。
「サイ・ヤング賞」は、511勝をあげたメジャーリーグ最強のピッチャー、
サイ・ヤングをしのんでつくられた賞で、
その年、最高のピッチャーを顕彰するものだ。
「野球人として偉大であることは素晴らしい。
しかし、人間と偉大であることはもっと素晴らしい」
そうスモルツは語っている。

 

日本でも似たような賞は各競技であるものの、
それらがここまで価値の高いものになっているとは言い難い。
競技の枠やプロ、アマの別を問わず、
アスリートたちの社会貢献活動を称え、
その熱い思いを広く伝える賞をスポーツ界全体で創設してはどうだろうか。