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Columnコラム

2011.12.31アスリートの言葉力

2011年を改めて振り返ると、スポーツの持つ「底力」を実感した1年だったように思う。

 

-「見せましょう、東北の底力を!野球の底力を!」

 

震災後、被災地球団である東北楽天の嶋基宏キャプテンが発したメッセージは胸にジンとくるものがあった。
もちろん、ただ単にメッセージを発信しただけではなく、各アスリートはそれぞれの舞台で、
自分たちの最大限のパフォーマンスを披露してくれた。
だからこそ、彼らの発言が多くの人々の心をとらえたのだろう。
今回は2011年のスポーツシーンの中から飛び出した印象に残る言葉をいくつか紹介したい。

 

「生かされている命に感謝」
最初は選抜高校野球の開会式、岡山・創志学園の野山慎介主将による選手宣誓のフレーズだ。
震災からわずか12日後、東日本では余震も続くなかでの開幕だっただけに、
命への”感謝”という思いをストレートに伝えた宣誓は大きな感動を呼んだ。

 

「未知の領域はまだまだある」
続いては夏に韓国・大邱で行われた陸上世界選手権で生まれた言葉だ。
男子ハンマー投げで金メダルを獲得した室伏広治。
36歳にして今季自己ベストの81メートル24をマーク。ロンドン五輪では2大会ぶりの金メダルも視界に入る。
年齢を重ねても進化し続ける姿に私たちは大きなパワーをもらった。

 

「出ないで後悔するより、出て後悔したほうがいい」
市民ランナーの川内優輝は2011年に一躍、脚光を浴びた選手だろう。
2月の東京マラソンを日本人トップの2時間8分37秒で駆け抜け、夏の世界陸上へ出場。
ロンドン五輪の選考会となる12月の福岡国際マラソンも2時間9分57秒で3位に入り、
代表争いに名乗りをあげている。

 
しかも本人は12年2月の東京マラソンにも再び出場する意向だ。
あまりインターバルを空けずに次々とレースに参戦するスタイルは、
これまでのマラソン界の常識では考えられなかった。
だが、その意気込みは他の選手も見習うべきだろう。

 

「目の前にハードルがあることが楽しい」
最後に2シーズンぶりにゲレンデ復帰したフリースタイルスキー女子モーグルの上村愛子の発言を紹介したい。
16年のソチ五輪に出場すれば、5大会連続の出場となる。
彼女は初出場だった長野五輪から7位→6位→5位→4位と、ひとつずつ順位を上げてきた。
与えられた課題に対し、いかにポジティブに取り組むか。その大切さを上村は教えてくれている。