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Columnコラム

2013.09.25ウインターリーグ

来季、創設10年目を迎える野球独立リーグの四国アイランドリーグPlusが新たなチャレンジに乗り出す。

 

高知でのウインターリーグ開催だ。国内外問わず、80名の選手を募集して4チームをつくり、11月4日からの10日間で9試合を実施する。ウインターリーグは選手が自身のレベルアップや、メジャーリーグなどに売り込む目的で中南米を中心に行われているが、日本では初の試みとなる。

 

アイランドリーグは選手育成と地域貢献を両輪に、野球をする若者のチャレンジの場として四国で活動を続けてきた。育成面では1年目から毎年、所属選手をNPBに送り込み、その中には今春のWBC日本代表に選ばれた角中勝也(千葉ロッテ、元高知)など1軍で活躍する選手も出てきている。現在では北陸、上信越の6球団からなるBCリーグに、関西独立リーグと後発のリーグも誕生している。

 

しかし、今後を見据えた場合、単に日本のNPBへ人材を供給する”下請け”にとどまっていては、さらなる発展は見込めない。そこで浮上してきたのが「国際化」だ。リーグではこれまでも広島カープのドミニカアカデミーや、米独立リーグの外国人選手を受け入れてきた。アレッサンドロ・マエストリ(元香川)のように結果を残し、オリックスに助っ人として途中入団したケースもある。

 

今回スタートするウインターリーグでは、アイランドリーグ以外のリーグ、NPB、MLBのスカウトにも声をかけており、そこで国内の選手も海外の選手も試合を通じて、自身をアピールできる。選手にとっては短期間のトライアウトとは違ってチャンスも多く、選手を獲得する側には実戦を通じて能力を判断できるメリットがある。

 

期間中、選手たちは四国最南端の足摺半島に位置する土佐清水市内のホテルに宿泊し、試合をこなす。選手に加え、スタッフ、各リーグのスカウトも含めれば100名前後が10日間に渡って現地に滞在することが見込まれる。ホスト県となる高知球団の武政重和代表は「スポーツツーリズムの観点からも高知県、土佐清水市にとっても意義がある」と開催を歓迎している。

 

現在、アジアでは台湾でウインターリーグが開かれているが、この試みが定着すれば、韓国や台湾、中国といった近隣の選手たちが世界へはばたく足場が日本にもできることになる。

 

その意味で、このウインターリーグが一本立ちできるように、皆で育てていく必要がある。今回、試合の入場料は取らないが、持続可能な運営を考えれば、観客にも相応の負担をお願いすることも必要かもしれない。また決して大規模ではなくてもグローバル戦略に乗り出したい企業にリーグの冠スポンサーとして出資してもらうのもひとつのアイデアだ。

 

選手の参加費は21万円に設定されているが、入場料やスポンサー収入が入れば、負担を軽くできるはずだ。安い金額で参加できれば、「四国でアピールしたい」と考える選手は増える。レベルの高い選手が集まると必然的にスカウトの注目度は高まり、リーグ自体が盛り上がる。

 

何事もチャレンジしてみなければ始まらない。独立リーグはいわばベンチャーだ。自由な発想で、旧態依然とした日本球界に新しい風を吹かせ続けてほしい。

 


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