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Columnコラム

2011.06.30スポーツ基本法で何が変わる?

 

日本のスポーツ界における新憲法とも言える
「スポーツ基本法」がこのほど国会で成立した。
これまで、この国のスポーツ政策で拠りどころとなっていたのは
1961年に制定されたスポーツ振興法。
半世紀を経ての全面改正はやや遅きに失した感はあるが、
変えないことには何も始まらない。

 

-スポーツに携わる人間のひとりとして基本法制定を歓迎したい。

 

基本法は「スポーツは、世界共通の人類の文化である」との書き出しで始まり、
「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利」と明記されている。
この「スポーツ権」が認められた意義は大きい。
このコーナーでも、さまざまな日本のスポーツの問題点を取り上げてきたが、
今後はこれらの制度や環境の不備に対して、
私たちは「スポーツ権」を主張して改善を要求できるのだ。

 

また第二条(基本理念)の中に、
「障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、
障害の種類及び程度に応じ必要な配慮をしつつ推進されなければならない」
と障害者スポーツへの言及がなされている点も評価したい。
以前にも指摘したように、日本ではオリンピックが文部科学省、
パラリンピックが厚生労働省と所管が分かれ、
障害者スポーツのトップレベルの選手たちは未だに
ナショナルトレーニングセンターを自由に利用できない。
スポーツの盛んな欧米諸国をみても、こういった国はあまりない。
基本法の制定が現状に風穴を開けることを期待したい。

 

さらに第八条では、
「政府は、スポーツに関する施策を実施するため必要な法制上、
財政上又は税制上の措置その他の措置を講じなければならない」と定められた。
アスリートやスポーツクラブへの支援、スポーツを支える企業、
団体の活動に寄付税制が適用されれば、
さらなる底辺拡大や選手の育成、強化につながるだろう。
もちろん基本法ができたからと言って、それが実際の施策に反映されなければ、
すべては絵に描いたモチに終わる。
法の理念を現場レベルでいかに実践するか。
「机上の空論」ではなく、「地上の正論」に昇華させる努力が引き続き求められる。

 


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