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Columnコラム

2009.12.07スポーツ界も「事業仕分け」を

鳩山政権の行政刷新会議による「事業仕分け」ではスポーツ予算にもメスが入った。総合型地域スポーツクラブへの助成金が、totoの事業との重複を指摘され、大幅な削減が必要とされたほか、民間スポーツ振興費等補助金32億9200万円も縮減との判定が出された。この約33億円のうち、82.3%にあたる27億1400万円はJOC(日本オリンピック委員会)に割り振られ、トップ選手強化に当てられる予定だった。

 

この仕分け結果を受け、JOCをはじめ、各スポーツのアスリートは反対のアピールを行った。北京五輪レスリング女子フリースタイル55kg級金メダルの吉田沙保里、同フェンシング男子フルーレ銀メダルの太田雄貴らが一堂に会した会見では、「以前はオリンピックに出場するのも自費だった。現在でもオリンピックの出場権を獲得するための遠征では、多くの競技者が自己負担を強いられている」(アテネ五輪アーチェリー男子銀メダル・山本博)、「(競技を始めたばかりの)子供たちに自己負担で競技を続けると伝えるのは、あまりにも悲しい」(フェンシング・太田)といった窮状を訴える声が相次いだ。

 

-我が国のスポーツ予算は諸外国と比べると非常に少ない。

北京五輪に向けての年間強化費をみるとドイツが274億円、米国が165億円、英国、中国が120億円で、日本のそれとは大きな開きがある。ブルータグが支援しているアスリートの中にも、来年のバンクーバー五輪出場が内定しているボブスレーの檜野真奈美選手や、大舞台を目指しているアルペンスキーの星瑞枝選手、長谷川絵美選手などがいるが、こういった民間からのサポートがないと、海外遠征もままならない。厳しい環境の中、頑張っている選手たちには頭が下がる思いだ。

ただ、赤字国債が税収を上回る異常事態の中、スポーツ予算だけ増額を勝ち取ることも難しいだろう。となればスポーツ界の中でもムダがないかを精査し、もっとも大切な競技の普及、育成、強化に効果的に資金を投入することが求められる。

 

-私が長年取材してきて疑問に思うのは、競技各団体の役員数の多さである。

国際大会にもぞろぞろと大名行列のように随行し、選手と変わらない人数を派遣しているケースもある。先のトリノ五輪では参加した選手が112名に対し、役員は126名と多かった。これら役員の中には監督やコーチも含まれているため、十把一絡げにすることはできないが、もう少し派遣人数を減らせるのではないか。

 

加えていえば、遠征の飛行機で選手がエコノミークラスに乗り、役員はビジネスクラスを使っているところもある。予算削減見直しを主張することも大事だが、まずは自らの「事業仕分け」をしなければ国民の理解は得られない。

 

 


 

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