Loading...

Columnコラム

2014.04.30ファンドで地方クラブ支援を

クラウドファウンディングという新しい資金調達システムが近年、日本でも注目を集めている。
ひとつのプロジェクトを達成するために、インターネット上で広く資金を集める。ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大の山中伸弥教授が、京都マラソンの完走を条件に、この手法でiPS細胞研究への寄付を呼びかけ、約1000万円が集まったことでも話題になった。

 

このクラウドファウンディング、スポーツの世界にも広がりをみせている。
今季、サッカーJ2の愛媛FCは選手強化費用の捻出のため、「ストライカーファンド」を立ち上げた。1口21,100円(手数料込み)で、6月末までに最大2,300万円の資金調達を目指している。戦力アップを目的にしたファンド設立はJリーグでは初の試みだという。
愛媛はJ2昇格から9年目を迎えるが、成績は初年度の9位が最高。昨季は22クラブ中17位だった。課題となっているのが得点力不足。昨季の総得点は43点と1試合平均1点にも満たず、リーグでは4番目に少なかった。

 

しかし、地方クラブゆえ、2012年度の営業収益は5億4,600万円とJ2では3番目に小さい規模だ。優秀なストライカーを海外や他クラブから獲得するには資金力が足りない。そこでファンド運営会社とタッグを組み、インターネット経由で補強資金を集めることになった。

 

出資者には特典として試合観戦チケットが贈呈されるほか、クラブの売上の一部が分配金として戻ってくる。募集にあたっての事業計画では「ファンド資金で(シーズン)後半から外国人選手を獲得することも検討」していると記載されており、出資で戦力補強が進み、クラブが上位争いをして売上が増えれば、元本以上の分配金が得られる仕組みだ。

 

また同じ四国の野球独立リーグ、四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスでも、外国人の練習生を支援する目的でクラウドファウンディングを実施している。寄せられた資金はアフリカのブルキナファソからやってきた16歳のサンホ・ラシィナ内野手と、ブラジル日系3世の水野ジョナタン正一投手の生活費や用具代などに充てられる。

 

こちらは3,000円から申し込め、6月15日までに100万円の寄付を目指す。金額に応じて本人からのサイン色紙や、高知の野菜詰め合わせなどが特典としてついてくる。

 

愛媛FCの「ストライカーファンド」は2月末の募集開始から現在、目標の2割程度の資金が寄せられている。高知球団の外国人練習生を支援するプロジェクトには目標の5割程度が集まった。

 

このシステムは県内のファンのみならず、全国に散らばる地元出身者や関係者でも参加できる。プロジェクトに興味を持った新たなファンの開拓にもつながる。「おらがまちのチーム」を資金面でも支える方法として今後も注目していきたい。 。