Loading...

Columnコラム

2014.12.03ラグビーW杯をまちおこしに

5年後に日本で開催されるラグビーW杯の試合開催都市に14カ所から立候補があった。札幌市、岩手県・釜石市、仙台市、埼玉県・熊谷市、静岡県、愛知県・豊田市、京都市、大阪府・東大阪市、神戸市、福岡市、長崎県、熊本県・熊本市、大分県。今後は現地視察や調整を行いながら、選定作業を進め、来年3月に10~12の開催都市が決定する。

 

立候補地は全国に分散しているが、中四国や日本海側の地域には”空白地帯”も生じた。一方で、九州は福岡、長崎、熊本、大分と4カ所が立候補。地域性の観点から開催都市が絞られることも予想される。

 

「2020年のオリンピック・パラリンピックは東京中心、2019年のW杯は全国で盛り立てるのが基本的なポリシー」

 

選定にあたっての基準をW杯組織委の嶋津昭事務総長はこう掲げる。「ラグビーを日本全国に普及、発展させる」という理念と、チケット販売や運営コストなどを踏まえた収益面とを天秤にかけながら、開催都市選びが行われることになる。

 

五輪・パラリンピックは都市開催のため、どうしても恩恵に浴するのは東京がメインとなる。その意味でもラグビーW杯は嶋津事務総長が語ったように「全国で盛り立てる」大会にすることが肝心だ。

 

巨大スタジアムのある新潟、横浜、広島などが手を挙げなかったため、開幕戦、準決勝、3位決定戦、決勝の実施目安として示した収容能力(6万人以上)を満たすのは、これから建設される新国立競技場(8万人収容予定)のみ。これらすべてを新国立競技場で実施すれば、最低5試合を行うことになり、東京一極集中の懸念が既に出てきている。

 

ラグビーW杯は約1カ月半にわたる長丁場の大会だ。五輪やサッカーW杯と比較しても開催期間が長い。つまり、各チームが試合に向けた調整でキャンプを張る日数は長くなる。

 

嶋津事務総長は「開催都市だけでなく、バックアップするキャンプ地は2倍、3倍の数になる」と各地からのキャンプ地の立候補に期待を寄せる。キャンプ地は2016年春以降に選定プロセスを発表。大会スケジュールが確定する17年に各出場チームが候補地を視察、検討して決める流れになっている。

 

日本ではラグビーの注目度はまだまだ高いとは言えないが、欧州やオセアニアでは人気スポーツだ。キャンプ地としての経済効果は侮れない。

 

02年のサッカーW杯ではカメルーンのキャンプ地となった大分県中津江村(現日田市)が一躍、スポットライトを浴びた。人口約1300人の村に報道陣や観光客が多数訪れ、その宣伝効果は10億円以上とみられている。

 

経済効果のみならず、スポーツを通じた国際交流や地域活性化といった波及効果にも期待できる。一説には40年には全国約1800市町村のうち、523の自治体で人口が1万人を割り、消滅の危機に瀕すると言われている。高齢化と過疎化が進む地域に、ラグビーW杯がまちおこしの一助となることを望みたい。