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Columnコラム

2012.08.25メダル38個が意味するもの

ロンドン五輪が幕を閉じた。

 

今大会、日本は金メダルこそ7個にとどまったものの、銀14個、銅17個の計38個のメダルを獲得した。メダル総数は8年前のアテネ大会の37個を上回り、史上最多である。競技初日から最終日まで全日程でメダリストが生まれ、連夜の観戦で寝不足の方も多かったはずだ。

 

前回のコラムでも紹介したようにJOCはロンドンで「金メダル数で世界5位以内」を目標にしていた。具体的には15個の金を想定していたようだが、見込みは大きく外れた。日本選手団の上村春樹団長は「選手が自分たちのベストを出せば(金15個は)クリアできると思ったが、世界は甘くなかった。世界の強化は進んでいる」と振り返り、塚原光男総監督はタレントの発掘、ナショナルトレーニングセンターのさらなる活用、競技支援体制の強化など「金メダルを獲れる環境づくり」をリオデジャネイロ五輪への課題にあげた。

 

確かに男女通じて、わずか金1個に終わった柔道などは、世界での勝つための戦略を根本的に練り直すべきだろう。最初から「2位じゃダメなんですか?」という考えでは世界とは戦えない。

 

ただし、「2位じゃダメ」とばかりに、金メダル至上主義に走りすぎるのも考えものだ。今回の日本勢では、各競技で初めてのメダルや久々の表彰台というケースが少なくなかった。卓球は1988年ソウル大会、バドミントンは92年バルセロナ大会で競技が採用されて以降、初めてのメダルである。

 

またボクシング男子では48年ぶり、レスリング男子では24年ぶりの金メダリストが誕生した。バレーボール女子も28年ぶりの銅メダルを獲得している。日本はロンドンで出場した24競技のうち、半数を超える13競技でメダルを手にした。これは、この国のスポーツに厚みがある何よりの証である。

 

外国では五輪で好成績を残すため、選手を世界から集めているところもある。実はロンドン五輪のホストカントリー(五輪は都市開催だが、実質的には国家の支援が必要)、英国では代表542選手のうち、60人あまりが帰化選手だった。さらに総額300億円を超える強化費を金メダルが期待される競技に集中させ、陸上、セーリング、乗馬など5競技へ全体の半分を割り振った。

 

ホームの後押しもあり、イギリスは前回大会(金19個)を上回る29個の金メダルを獲った。だが、あまりにも偏った強化策に国内では「一般のスポーツにも投資してほしい」との批判が出ているという。

 

アマチュアリズムの本家本元が、メダルに血眼になっている姿には少々、首をかしげたくなる。日本は英国流ではなく、今回の結果をいい形で継続させ、多くの競技から金も銀も銅も生まれる環境づくりを目指してほしい。