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Columnコラム

2012.04.30一発選考は是か非か

ロンドン五輪開幕まで100日を切り、各競技の出場権を巡る争いも佳境に入っている。
4月上旬には競泳の五輪選考会を兼ねた日本選手権が開催された。

 

競泳の代表選考基準は極めて明快である。
①選考会決勝において2位以上
②五輪派遣標準記録を突破すること
過去の実績や、ケガ、体調不良による欠場といった面は考慮されない。
選考会で勝つか、負けるか。それがすべてである。

 

-一発勝負ゆえに何が起こるか分からないという独特の緊張感が会場には漂う。

 

過日、北京五輪の男子400mメドレーリレーで銅メダルを獲得した背泳ぎの宮下純一さんに
当時の様子を訊ねると、「緊張して、スタートしてから、どうやって泳いだか記憶がない」と話していた。

 

1回の選考会で代表を決める方式には、
「その時、調子が良くて好成績を残した選手が、いきなり五輪に出場できる
。経験の浅い若手の場合、本番で同じようなレースができるか分からない」とデメリットを指摘する声もある。
たとえばマラソンや柔道などでは、選考会は開催されるが、
最終的には「世界で戦える選手」かどうかを考慮して代表が決められる。
過去には選考会で敗れた選手が、逆転で代表に選ばれ、
「何のための選考会だったのか」と批判が上がったケースがあった。

それぞれの競技特性により、すべて一発選考が良いとは言い切れないが、
少なくとも「国内選考で力を出しきれない選手が、
さらに重圧のかかる本番で好成績を残せる可能性は低い」と考えることはできよう。
当然ながら五輪本番も一発勝負である。
レースに合わせて、いかにコンディションを整え、最高の状態でスタート台に立てるか。
待ったなしの選考会は、その予行演習になる。

 
「選考基準が不明瞭な事の一番の悪影響は、自分が所属する連盟を信用しなくなるという事。
基準が明瞭じゃないと、何か裏で取引が通用するんじゃないかと勘ぐれてしまう。
選ばれた選手に対してもそういう目が向けられがちで、代表チームの空気も悪くなる」
陸上のハードル種目で4大会連続の五輪出場を目指す為末大選手は、
自身のツイッターでそうつぶやいていた。

 

-多くのアスリートにとって4年に1度の五輪は選手人生を賭けた大舞台である。

 

パーフェクトな選考はなくとも、各競技団体は前例にとらわれず、
ベターな方法を模索する努力を続けてほしい。
その真摯な姿勢を選手たちは見ている。