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Columnコラム

2013.12.25五輪・パラリンピックとボランティアの役割

2013年のスポーツ界を振り返って、真っ先に浮かぶトピックスといえば、2020年の東京五輪・パラリンピック招致成功だろう。開催都市を決める9月のIOC総会、最終プレゼンテーションで使われた「おもてなし」は流行語大賞にも輝いた。

 

だが、開催決定を喜んでばかりもいられない。2014年2月までには組織委員会を立ち上げ、本格的な準備にとりかかる必要がある。世界から多くの選手、関係者、観客を受け入れ、「おもてなし」の心を実践するには、インフラ整備のみならず、国民の協力が不可欠だ。

 

大会を成功させるにあたってはボランティアの役割が重要となる。その業務は運営、警備のサポート、交通整理、医療、広報、通信サービス、通訳など多岐にわたり、ロンドン大会では6~7万人が参加した。

 

ロンドンではボランティアのことを「ゲームズメーカー」と呼んだ。この呼び名にはボランティアも、大会の一翼を担う参加者との意味合いが込められていた。

 

その前の北京大会でもボランティアが運営などに携わっていたが、様相は随分違った。私が女子マラソンを取材した時のことだ。足の甲の痛みを押して出場した土佐礼子選手がレース途中でリタイアせざるを得なくなった。

 

コーチが土佐選手を抱きかかえ、走るのをストップさせたが、沿道のスタッフは誰も来ない。土佐は道路脇に放置される状態になってしまったのだ。たまたま現場に居合せた高校時代の恩師や同級生たちが近くのビルに搬送したものの、救急車もなかなかやってこなかった。

 

スタッフには、それぞれ役割があり、おそらく事前に「持ち場を勝手に離れてはいけない」と指導を受けていたのだろう。だがマニュアル通りに行動するだけなら、単なる「ロボット」に過ぎない。

 

東京大会のボランティアも、状況に応じて主体的に対応する「ゲームズメーカー」であることが求められる。せっかくの五輪・パラリンピック開催だ。観客として競技会場で声援を送るのも立派な参加スタイルだが、一歩踏み込んでボランティアに応募するのもひとつの選択肢である。

 

ボランティアになるにあたっては、特別な技能や資格が必要のないものが多い。ただ、大会までは7年もある。通訳スタッフを目指して語学の勉強を始めるのもいいだろう。たとえばアフリカ圏の言語でコミュニケーションがとれれば、重宝がられるかもしれない。

 

2020年の東京五輪、パラリンピックをひとつの目標に、各自がやれること、やってみたいことを設定して取り組む。その流れが大きくなれば、2014年は日本全体に活力が生まれる1年になるはずだ。

 


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