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Columnコラム

2009.10.29五輪招致落選は新たなスタート

-2016年のオリンピック、パラリンピックの開催地は、

 ブラジルのリオデジャネイロに決まった。

招致に名乗りをあげていた東京は第2ラウンドで落選した。テレビで中継をご覧になった方も多いだろうが、選挙は電子投票で行われた。投票権のあるIOC委員が手元のボタンを押すだけで瞬時に結果が出る。

 

1回目の投票ではシカゴが落ち、東京は生き残った。バラク・オバマ大統領が最後のプレゼンテーションに登場し、ブックメーカーのオッズでも評価が高かった”本命”が外れたことで、東京にチャンスが巡ってきたように感じられた。

 

ところが、それはぬか喜びに終わる。すぐに2回目の投票が行われ、5分と経たないうちに東京の落選が決まった。一瞬で天国から地獄へたたき落とされた感じだ。

 

2020年への再チャレンジについては、賛否両論ある。150億円もの招致費用の使い道や開催の意義について、もう1度検証が必要なのは確かだろう。

 

しかし、ここで強調したいのは、今回の落選が、日本のスポーツの終わりではないということだ。むしろ日本のスポーツの新たなスタートと捉えるべきである。

 

たとえば開催地の東京のスポーツ環境は充実していると言えるのか? 以前、皇居の周りを走っている市民ランナーから、「シャワーや着替えをする場所が少ない」との声を聞いたことがある。現在は銭湯や民間のスポーツクラブが、そういった場所を提供しているが、誰もが気軽に利用できる公共施設はない。

 

他方、外国に行ってみると、美しいランニングコースがいくつもある。毎年、4万人のランナーが参加するベルリンマラソンのコースでは沿道の緑が豊富で、木陰で休むこともできる。市内には1500ものスポーツ施設があるそうだ。

 

今回、東京は4候補地の中で世論の支持が最も低かった。それは都民にとってスポーツが身近な存在ではなかったことをはからずも示している。スポーツと人々の距離を縮めること、そのための環境整備を行うことこそが、招致実現への近道である。

 

 


 

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