Loading...

Columnコラム

2016.02.05五郎丸とイチローの共通項

世界ランキング3位(当時)の南アフリカ相手に34対32。ラグビーW杯史上最大の番狂わせの立役者となったのが日本代表FB五郎丸歩だ。

 

2ゴール5PG1トライで計24得点。蹴る前の忍者のようなルーティンの仕草は、すっかりお馴染みとなった。まるでボールに魔法でもかけているかのようである。

 

これだけのルーティンを完璧に遂行しても、100%成功する保証はどこにもない。大事なのは、どんな状況下でも最善を尽くすことである。やれることは全てやったとの思いが邪念や不安を取り除くのだろう。

 

五郎丸は自著の中で、こう述べている。

 

「要は、100パーセントの準備を自分がしてきたかどうか。自分がやるべきことを100パーセントやったかどうか。それができていれば、入ろうが外れようが、どっちでもいい。外しても何とも思わない」(『不動の魂』(実業之日本社)

 

ラグビーに限らず名選手は例外なく、独自のルーティンを持つ。メジャーリーグで活躍するイチローは、どんなシチュエーションでも打席に入る前に屈伸し、右肩の袖を左手で持ち、最後にバットを直角に立てるという動作を行った上で、相手ピッチャーと向かい合う。イチローがイチローであり続けるための儀式と言っても過言ではあるまい。

 

考えてみれば、どんな好打者でもヒットを打てる確率は3回に1回である。逆に言えば3回に2回は失敗するのだ。失敗のたびに頭を抱えていては仕事にならない。すぐさま次へと気持ちを切り換えなければならない。

 

問われるのは、たとえ失敗しても、気持ちを切り換えるに値する準備をしてきたかどうかだ。反省だけならサルでもできる。

 

「小事が大事を生む」との格言もある。ルーティンが結果を生む、と言い換えることもできよう。五郎丸やイチローから学ぶべきことは少なくない。