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Columnコラム

2014.11.30仁川アジア大会の教訓

韓国・仁川で開催されたアジア大会、アジアパラリンピックは問題点が目立った大会だったようだ。

 

選手村や試合会場は施設の不備が目立ち、食事も選手が好む肉類のメニューが少なかったという。選手や関係者を輸送するバスが時間通りに運行されず、移動に困る者が続出した。運営スタッフが試合会場で賭博を行い、解雇されるなどモラルハザードも起きていた。何より韓国国民の関心が薄く、多くの会場で閑古鳥が鳴いていた。

 

韓国では4年後に平昌冬季五輪の開催を控える。国際大会で露呈した不手際に、外国メディアはもとより、韓国国内でも「平昌は大丈夫か?」との声があがっているそうだ。事実、スピードスケート会場は建設に遅れが出ており、開会式と閉会式の場所も変更が取り沙汰されるなど不安材料が出てきている。

 

もちろん、五輪とアジア大会では規模が違う。今回の反省点を踏まえ、韓国も国の威信をかけて、準備を進めることだろう。重要なのは失敗を繰り返さないことである。

 

今回の仁川での出来事は”対岸の火事”ではない。周知の通り、2019年にはラグビーW杯、翌20年に東京五輪・パラリンピックが開催される。スポーツのビッグイベントが2年連続で開かれるケースは世界的にみても珍しい。

 

特にラグビーW杯は日本のみならず、アジアで初めて開かれる大会だ。8万人収容の新国立競技場で行われる決勝戦、外国人の来場者は半数の4万人を占めると組織委は見込んでいる。多国籍で多言語の観客を受け入れ、円滑に大会を運営するには会場警備や誘導、通訳ボランティアの確保といった、さまざまな業務の充実が求められる。

 

大会期間中、外国人を含む多数の来場者が訪れる状況は五輪やパラリンピックも同様だ。

 

そこでラグビーW杯の組織委と、五輪・パラリンピックの組織委とは、この夏から連絡会議を設置し、月1回ペースで情報交換を始めた。会議ではラグビーW杯での経験を五輪・パラリンピックに生かすべく、共同でボランティアを採用するといったアイデアが検討されている。

 

ラグビーW杯組織委の嶋津昭事務総長は「定期的に協議をして何をするか内容を詰めていくことで全体のコスト節約や、人的資源の効果的活用につながる」と語る。ラグビーW杯と五輪・パラリンピック。双方の連携の深まりは、2年続けてビッグイベントを成功させる上で避けては通れない。相乗効果で世界に誇れる”おもてなし”を披露したい。