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Columnコラム

2016.04.28共生社会に向けた普及活動

東京・赤坂にある日本財団パラリンピックサポートセンターを訪ねたときのことだ。車いすバスケットボール元日本代表・根木慎志と施設内を巡った。

 

パラリンピックサポートセンターはパラスポーツの競技団体の共同オフィスとして使用されている。日本ブラインドサッカー協会、日本車椅子バスケットボール連盟、日本車いすテニス協会、日本ウィルチェアーラグビー連盟、日本障害者スキー連盟など25の競技団体が入り、各団体の専任スタッフが常駐して作業を行っている。

 

フロアには仕切りも段差もなく、各団体のスタッフがスムーズに行き来をしている。

 

「例えば高級ホテルの毛足の長い絨毯は車いすが重くなってダメなんですよ」

 

根木がそう教えてくれた。パラサポートセンターの床は固い素材が使われていて、車輪の動きもスムーズだ。スタッフが使う洋服をかけるラックやコピー機などの事務機器も、車いすでも使いやすいように低めに設置されている。根木の車いすの動きを妨げるものは何もなく、障がいを意識することもなかった。

 

根木は車いすバスケットボールやパラリンピアンの認知度アップのために、全国各地の小学校を巡っている。これまで訪れた学校は100校を超えている。

 

根木は体育館でバスケットボールのデモンストレーションを披露する。根木の繰り出すシュートやパスを見て、子どもたちは大歓声をあげる。そのあと根木と子どもたちはこんなやりとりをする。

 

「僕に障がいがある?」「ないよー」「じゃあ仲良くなったし一緒に給食食べようや」「食べよう!」「じゃあ後で行くから君たちの教室の場所を教えて」「3階」「3階は無理、僕は行かれへん。エレベーターないの?」「ないなー。あ、給食を運ぶやつがある」「あんなのに乗られへんて(笑)」

 

このあと根木は子どもたちにこう質問する。「僕は3階に行きたくても行けない。障がいは何?」「エレベーターがないこと!」

 

根木は「障がいとは生きていく中で不自由さを感じるもの」と語っている。

 

障がいは「人」ではなくて、「社会」にあるというのが彼の考え方だ。根木の行っているパラスポーツの普及と認知度のアップは、共生社会への大きな一歩となっている。