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Columnコラム

2016.09.30東京五輪まで4年しかない現実

リオ五輪が終わり2020年の東京五輪まで4年を切った。テロへの警戒強化、インフラ整備などに関心が集まるが、それ以外にも問題は山積みだ。暑さ対策も十分とは言えない。

 

国土交通省は暑さ対策の一環として都内の国道246号線の250m区間を冷却する実験を行った。8月31日のことだ。保水材を混ぜ、遮熱材を吹きつけた結果、通常よりも5~6度低くなったという。五輪マラソン元日本代表の瀬古利彦らが試走して、その効能を体感したが、「この程度では気休めにもならない」という専門家の指摘もあった。

 

組織委員会はマラソンの早朝スタートも計画している。猛暑の日中を避けようというのだ。これについては都市工学の研究者が首を傾げる。

 

「07年、大阪の世界陸上の男子マラソンは、朝7時にスタートしたものの気温はぐんぐん上昇し、レース終盤には30度を超えた。ヒートアイランド現象が起きる都市部の気温は、徐々にではなく一気に上昇する特徴がある。最悪の場合、熱中症で倒れる選手が続出する危険性がある」

 

84年、ロサンゼル五輪の女子マラソンを思い出した。優勝選手から遅れること約20分、スイスのガブリエラ・アンデルセンがふらつきながら競技場に入ってきた。足元はおぼつかず、誰の目にも熱中症にかかっているのは明らかだった。のちに「人生最悪のレース」と本人が振り返っている。

 

4年後の東京は高温に加えて多湿も予想される。アンデルセンの悲劇を繰り返してはならない。

 

競技場外の心配もある。リオの真っ最中、8月15日に悲痛な事故が起きた。東京都内の地下鉄ホームから盲導犬を連れた男性が転落。列車と接触し、死亡したのだ。

 

これを受け、日本盲人会連合の竹下義樹会長は。次のような声明を出した。

 

「我が国においては、多くの視覚障害者の犠牲の上に、駅ホームの安全対策が進められ、近年は関係行政機関や鉄道事業関係者の努力により目覚ましい成果をあげつつあるが、視覚障害者がホームから転落する事故は後を絶たず、取り組みは今なお道半ばである」

 

盲人会連合が11年2月に実施した転落事故に関するアンケートでは、転落事故防止策として回答者の約90%が「ホーム柵の設置」をあげていた。いわゆるホームドアである。

 

国土交通省によると、ホームドアを設置している駅は全国で665(16年3月時点)。これは全駅のわずか7%に過ぎない。日本盲人会連合は「計画対象駅ホームへの転落防止柵の設置を急ぎ、更なる計画拡大を求めること」と訴えている。

 

2020年はオリンピックとともにパラリンピックもやってくる。当然、視覚障害を持つパラアスリートも多数、来日する。今のような状況で果たして大丈夫なのか。

 

まだ4年後なのか、もう4年後なのか。”2020東京”はすぐそこに迫っている。