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Columnコラム

2010.03.15韓国式強化システムの是非

金メダル6、銀メダル6、銅メダル2――。今回のバンクーバー五輪で韓国勢は目覚しい飛躍を遂げた。この結果を受けて、「日本もメダルの獲れそうな競技種目に集中的にヒト、モノ、カネを投下しろ」という声がある。今大会の日本選手団団長を務めた橋本聖子参議院議員は「躍進した韓国、中国の素晴らしい競技力は見習いたい」と4年後のソチに向けた強化プランを語った。

 

果たして、そうだろうか。確かに韓国の「選択と集中」型の”競技仕分け”はうまくいった。出場選手は日本の94名に対し、半分以下の46名。少数精鋭のメンバーであげた計14個のメダルはいずれもスケート競技だった。スキー競技では入賞者すらいなかった。

 

-「韓国、中国を見習え!」というのは短絡的だ。
たとえば男子のフィギュアスケートでは、高橋大輔がアジア人として初めて銅メダルを獲得した。男子フィギュアに日本が初めて代表を送り込んだのは1932年のレークプラシッド五輪(米国)。今回のバンクーバー五輪を含め、のべ29人の代表がリンクに立った。

 

「どうせ男子はメダルなんて獲れないんだから、このへんでやめておこう」
そんな声に押されて、どこかで育成、強化を打ち切っていたら高橋の銅メダルはなかったはずだ。今回、日本はメダルこそ銀3、銅2と数は少なかったが、入賞者は前回の21から26と増えた。これは韓国より多い。

 

昨年の事業仕分けで、スポーツ予算の縮小が議論された際には「リュージュ、ボブスレーなどマイナーな競技にも補助が必要なのか」との指摘が出た。だが、男子フィギュアのように捲いたタネが芽を出し、花を咲かせるまでには時間がかかる。メダルの獲れそうな競技だけを”仕分け”することになれば、子供たちがさまざまなスポーツに触れる機会も失われる。

 

-これは企業の研究開発と一緒だろう。
ものづくり国家”の日本には韓国や中国にはないやり方がある。隣国に負けたからといって右往左往し、これまでのやり方を否定するのは愚かだ。サポートする側には辛抱が求められる。

 

 


 

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