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Columnコラム

2010.09.10“スポーツ立国戦略”実現に必要なこと

-文部科学省から今後のスポーツ政策の基本方針を示した「スポーツ立国戦略」が発表された。

これを踏まえ、来年の通常国会には従来のスポーツ振興法を見直した「スポーツ基本法」案が提出される見通しだ。「総花的で具体性に欠ける」「プランを実行するための財源の裏付けがない」といった批判もあるが、過去、このように体系立ててスポーツ政策の方針をまとめたものは日本になかった。その意味では、今回の立国戦略の策定は一歩前進と捉えていいだろう。

 

何より、5つの重点戦略のトップに「ライフステージに応じたスポーツ機会の創造」を掲げ、「総合型地域スポーツクラブを中心とした地域スポーツ環境の整備」を設けた点は評価してよい。これまでのコラムでも取り上げてきたが、従来の自民党政権では有力議員が各競技団体のトップを務めていたせいか、スポーツ政策といえば、トップ選手の強化にばかり重点が置かれていた。

 

-しかし、まずは競技の普及、育成に力を入れ、底辺を拡大しなければピラミッドの頂点は高くならない。

少子化で未来のアスリートが少なくなっている現状を考えれば、なおさらだ。立国戦略では、全国300 カ所程度の拠点となるクラブへ、元トップアスリートらを指導者として配置し、人材を育てようとしている。選手のセカンドキャリアを確保する上でも、この方針には大賛成だ。

 

ただし、現状、多くの地域スポーツクラブは自主財源で運営ができていない。指導者を招くといっても、人件費をどうやって賄うのか。地元企業、住民の支援は不可欠となる。立国戦略では重点戦略のラストに「社会全体でスポーツを支える基盤の整備」を掲げ、寄付税制などの措置を検討することが挙げられている。

 

国家や地方の財政が厳しい中、すべてを税金で補うことはできない。だからこそスポーツ政策も官から民へ移行させていくことが大切だ。CSRの一環として、スポーツ支援を考えている企業は少なくない。立国戦略を絵に描いたモチに終わらせないためにも、企業や個人がサポートしやすい仕組みづくりは急務である。

 

 


 

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