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Columnコラム

2015.02.022020年につなぐ東京マラソン

今年も東京マラソンの季節がやってきた。9回目を数える今回は2月22日に開催される。大会の知名度も上がり、36,000人の一般参加枠に対し、305,734人の応募があった。実に倍率は10.6倍。過日、五輪3大会連続出場を果たし、マラソンランナーとしても活躍した弘山晴美さんに会うと、「私も申し込んだんですが、抽選で落ちました」と笑っていた。

 

4万人近いランナーが都心を駆け抜けるビッグイベントだけに、当然、大会を運営する側もさまざまなスタッフが必要になる。医療やセキュリティ、コース整理、給水・給食の補助、通訳……。東京マラソンでは10,000人のボランティアがレースを支えている。こうしたイベントを円滑に進めていくためのノウハウは5年後に迫った東京五輪・パラリンピックにおいて、貴重な財産となることだろう。

 

また、東京マラソンでは”つなぐ”をコンセプトに掲げるチャリティ事業も展開しており、今大会からは活動のひとつに「スポーツ・レガシー事業」も加わった。これは2020年の五輪・パラリンピック開催を契機に、集められた寄付金をスポーツの環境整備や、普及、アスリートの強化育成に充てる目的で設けられた。

 

寄付によって、実際に施設整備ができたり、若手の育成資金となって活躍する選手が出てくれば、「私の出したお金が役立った」との実感が生まれるだろう。レガシーというと、何かモニュメントのようなものを想像しがちだが、こういったひとりひとりの心の”財産”もレガシーとなるはずだ。

 

東京マラソンのレースディレクター・早野忠昭さんは「こういった事業を含めて、夢の広がりをもたせたい。それがまた新たな普及や強化につながる」と語っていた。

 

東京マラソンでは車いすを使用するランナーや視覚障害者、知的障害者もコースを走る。このコーナーで何度も強調しているように、2020年の大会を成功させる上で重要なのはパラリンピックだ。東京マラソンでも、障害者にとって、よりよいレース環境を構築すべく、来年からは車いすマラソンのパラリンピアンがレースディレクターを担当するという。

 

「パラリンピックにもつながるような車いすランナーへのホスピタリティを含め、環境面を充実させたい」

 

早野さんは、そうパラリンピアン起用の狙いを明かす。障害者にもやさしい大会となれば、レースの価値は一層、高まる。それはきっと5年後のパラリンピックに好影響を与えてくれるに違いない。

 

健常者、障害者の区別なく、みんなが参加して良かったと思える大会になることが重要だ。東京マラソンには、これからも東京五輪・パラリンピックにうまくバトンを”つなぐ”イベントであってほしい。