古代ギリシアで発達した馬術がルネサンス期のイタリアで再評価され、いわゆる近代馬術の基礎が築かれていったといわれている。
そして18世紀、その流れを集大成したのが「近代馬術の父」と呼ばれているフランス人のド・ラ・ゲリニエールである。
その後、19世紀から20世紀にかけて、ドイツの馬術家・シュタインブレヒトやイタリアの騎兵将校・カプリリーらが騎乗法を開発し、今日の競技種目の体系化に影響を与えていった。
ちなみに馬術は、オリンピックでは唯一動物を扱う種目であり、選手の男女を区別しない競技である。
オリンピックでは、馬場馬術、障害飛越競技、総合馬術の3種目。世界選手権大会ではこれらに加え、軽乗競技、長途騎乗(エンデュランス)競技、馬車競技の計6種目が行われている。
■馬場馬術
競技馬場は白い柵で囲まれた20m×60mのアリーナ。難易度の異なる競技科目ごとに規定演技が課され、選手と乗馬の一体感、正確性、調和性などが10点満点(一部20点満点)の採点方式で審査される。選手のコスチュームは礼帽・礼服による礼装が基本。フランス語でドレッサージュ(Dressage)と呼ばれているように、人馬一体の妙技と優雅さが見どころである。
■障害飛越競技
英語でショージャンピング(Show jumping)と呼ばれ、オリンピックの近代五種競技のひとつにも採用されている障害馬術は、文字通り、障害が設けられたコースを人馬で疾駆する競技。タイム計測と障害を越える際の採点(減点)方式によって勝者と順位が判定される。馬場馬術同様、礼儀に関しても厳格なルールが設けられており、違反したものは大幅な減点が課せられてしまう。
■総合馬術
1日目に馬場馬術、2日目に耐久競技(野外騎乗、クロスカントリー、またはエンデュランス馬術競技[長距離走])、3日目に障害飛越競技(余力審査)が行われ、合計の点数によって順位が決定される。「3日競技」とも呼ばれている。勝利の鍵は、各プログラムをそつなくこなす総合力だ。