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Talk Vol.19

育成重視の独自路線(下)

K-1 プロデューサー
宮田 充 氏

ファイターは一発勝負

今矢: ジムは国内展開のみですか?

宮田: 首都圏中心ではあるのですが、13店舗ですね。現在は10店舗が直営で、3店舗がフランチャイズになっています。さいたまスーパーアリーナで興行しているので、埼玉県内にもオープンしようかという計画を立てています。

今矢: ジムの運営が収益のベースにはなっているのでしょうか?

宮田: なかなか投資の回収まではできていませんね。これが力になっていくと思うんです。アマチュアの公認ジムはもっとハードルを下げて、全国で随時募集をかけています。「K-1の看板を使っていいよ」ということで、全国で50店舗ぐらいあります。

二宮: 収益の柱はやはり興行?

宮田: ええ。ただ興行は水物でもあるので、選手を育成しながらイベント展開する。イベント展開ばかりだと育成が疎かになってしまいますから。いろいろな団体から選手を借りている。契約も大事だと思っております。契約を先々で交わした上で、その選手しか起用しない。今は団体間交流を一切やっていないんですよ。それぞれのジムで黒字化を目指してやっているんですけど、こればかりは地域に根付かないといけません。

今矢: 選手との契約形態は?

宮田: ファイターは一発勝負。次の興行で起用するか、契約した時点ではわかりません。魅力的な試合をすれば次に繋がるでしょうし、その逆であれば呼ばない可能性もある。我々は最後に試合をしてから1年以内という区切り方をしています。

二宮: その間の契約料は発生しているのですか?

宮田: ファイトマネーのみですね。半年後に試合をしたら、また1年間。格闘技は誰でもプロモーターになれる。ライセンスは必要がないんです。誰でも手を出せる。そのためには我々も防衛のために契約はしておかないといけません。

今矢: 選手個人がスポンサーを付けることに制限はあるのでしょうか?

宮田: 今のところは付けていないです。ファイターはトランクスに一番協賛メリットがあります。入場時にはガウンを着る。多い選手はそこにもズラリとスポンサー名が並びます。

【成長のために試合機会の増加を】

二宮: なるほど。新生K-1の立ち上げから5年目を迎えます。ここまでの手応えは?

宮田: 立ち技格闘技団体で競技展開と共にイベント展開に挑戦しているのは、初めてだと思うんです。我々にはアマチュアもあって、ジム展開もある。そこを理念としてやっているので、そこはブレずにできているかなと。

今矢: 持続可能な仕組みにしていくと?

宮田: そうですね。3月21日は1万5000人規模で行いますが6、9、11月は8000人規模に戻る。そこで力を付けて、おそらく来年3月が次のビッグイベントになると思います。理想は毎回1万人規模でできればいいのですが、現状を冷静に見極める必要があります。

二宮: 宮田さんは「長時間の興行は好きじゃない」とおっしゃっているそうですが、それはお客さんが帰りに食事やお酒を飲みに行くことを考えている。余韻を楽しむという意味でもとても大事なことですよね。

宮田: 収益を上げるために試合数多くしてしまう傾向にある。後楽園ホールでKrushをやっているんですが、目標は18時スタートで20時45分終了にしています。

二宮: 人間の集中力は約3時間と言われていますからね。

宮田: 3月10日の大会は判定が多くて20時45分ぐらいに終了しましたが、2月の大会はKOが多くて20時10分ほどで終わったんですよ。その時はみんな笑顔でした。お客さんは笑顔だし、会場を貸してくれている後楽園ホールのスタッフも笑顔。選手たちもゆっくり帰り支度ができるので、良かったです。特に後楽園ホールでは大事にしています。3月21日の興行は急遽トーナメントが入ったことで試合数が増えてしまった。19試合の中で時間を詰められるところは短縮して、20時前に終わらせたいと思っています。もし長くなったら来年開催した場合にお客様から「さいたまの試合は長いからな」と敬遠されてしまう恐れがある。

今矢: K-1における現状の課題はありますか?

宮田: いろいろありますね。現在はまだ会場の問題で首都圏でしか開催できていません。K-1を年5回、Krushを12回行っています。僕個人としては若手がキャリアを積めるように小さな会場でも開催したい。年7回のアマチュア大会を含め、試合の機会を増やすことこそ一番大事かなと思っています。今後もK-1はトップ選手だけでなく、様々な方向から格闘技界を盛り上げていきたいです!

宮田 充 (みやた みつる)

1968年3月6日生まれ。高校卒業後、全日本プロレスを経て、全日本キックを主催するオールジャパン・エンタープライズに入社した。2009年、全日本キックの解散に伴い、Krushを主催する株式会社グッドルーザーを設立し、代表を務める。格闘技プロモーターとして実績を積み、16年よりK-1プロデューサーに就任した。