BLUETAG × YKK

より良い商品を届けるために、アスリートから生の声を聞きたい

これがYKKとBLUETAGが現在の取組みにまで発展したきっかけでした。世界に挑戦するアスリートを支援できる事業をつくりたい、という想いで創業されたBLUETAGが、グローバルに事業展開をするYKKとタッグを組むようになったのは、設立当時から支援していた様々な競技で世界に挑戦するトップアスリートたちとのネットワークが大きな鍵を握っていました。

YKKのファスニング素材は言うまでもなく多くのアパレルメーカーの商品に採用され、ウエアやバッグ等の完成品となり、それから消費者(アスリート含む)の手元に届きます。当初は、アスリートがファスナーやそれが使用されている箇所に対して競技中やトレーニング、移動時に感じている課題や要望、不満を直接ヒアリングする機会がなかったのです。

よりストレスフリーなファスナー開発のために、過酷なトレーニング環境、0.1秒を争う試合、様々な天候条件で使用するアスリートからの生の声を拾い上げる場をつくることからスタートしました。

まずはアスリートたちに商品開発過程のファスナーやバックルなどのファスニング素材を採用した試作ウエアを提供する、もしくはアスリートが普段使用しているウエアのファスナーを試作ファスナーに付け替えます。それを一定期間様々な条件下で使用してもらい、後日YKKの商品開発チームと直接フィードバックできる機会を設けます。

現在ではこのような取組みを「Voice of Field」という名称で、アスリートや競技者のフィールド(戦っている現場)からの声を拾い、企業や開発チームにフィードバックするサービスとしてYKKをはじめ多くのスポーツ関連商品を開発するブランドに活用いただいています。

世界に挑戦するアスリートと海外進出をはかる企業

BLUETAGとYKKがタッグを組んで展開する活動は、取引先や消費者のみならず社内のマーケティングやブランディング、社外のCSR活動にも活用いただけるという想いがありました。今でこそ世界のYKKですが、その他の多くの日本企業と同様、本格的に海外進出をする時には、自らのチカラを信じ、世界に挑戦をした歴史があります。

当時は日本のモノづくりに対しても現在のような評価を受ける時代ではなく、多くの壁を乗り越える挑戦の連続であったと思います。このような挑戦と技術革新のDNAを体現しているのが、過酷な条件のもと世界の高みに挑み続けるアスリートたちでした。

YKKの挑戦の歴史と価値観を世界に挑戦するアスリートの姿で表現する。アスリートやスポーツを支援する活動を通じてYKKのブランドや社会的責任の姿勢を発信していく。そのようなプロジェクトとしてFIELD SUPPORTをともに展開していく提案に至ったのでした。

FIELD SUPPORT始動

初期のモニタリング企画に参加されていたYKKの担当者が後日ファスニング事業のトップで企業全体のブランディングや広報、CSR等を掌握するポジションにつかれ意見交換をする機会がありました。BLUETAGを創業してからの苦難や、収益を上げたうえでアスリートの競技支援、マイナースポーツの競技普及、イベント企画や運営サポートをしていきたいという話をし、ファスナーやバックルなど多くのYKK製品が使われているスポーツフィールドにおいてYKKもスポーツ支援をやっていきたいという応えをいただきました。

BLUETAGとして、YKKの希望や考えに沿った提案をする。私たちが将来実現したいこと、YKKが実現したいこと、これらを同時にカタチにできる企画として提案に至ったのが「FIELD SUPPORT PROJECT」でした。

YKKのファスニング商品は、幅広い分野で使用され、ほぼ全てのブランドやスポーツと関わりをもっているため、特定のスポーツではなくスポーツ全体を盛り上げて行くような活動であるべきでした。

またBLUETAGが支援している対象も、特定の競技に特化することなく幅広くアスリート支援・スポーツ振興活動をしていたため、共通の目的を持ったプロジェクトとして2012年10月にスタートすることができました。

20203月現在、FIELD SUPPORTは通算15競技、101大会のイベントをサポートしています。競技はランニング、トレイルラン、自転車、スイミング、ウインタースポーツ、ダブルダッチなど多種多様な競技に渡っています。